2022年も上半期が終わり、7月になりましたね。
6月末から猛暑が続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか?
私は大学に通勤するときに、バスを使えばいいものの25分歩いて駅に向かうので
毎朝びしょ濡れですね。汗の量が半端ないので先ほど新しいインナーを買ってきました。
脇汗パッド付のものが必要でないことを祈ります。
ですが今のところは湿度が低いのでなんとかやっています。
湿度が高いと体温調節がうまくできないので…
あとついでにジョギング用のシャツも買ってきましたが、防犯タグがついたままで…
百円玉で必死に取ろうともがきながらブログ書いてます。
無理そうなのでまた今度行かねば…
さて突然ですが、私が大学で担当している授業は作曲科学生の和声・対位法のレッスンと
作曲科以外の学生への集団授業での和声学(ハーモニーという科目ですね)
それからソルフェージュを基礎科目と選択科目と担当しています。
選択科目の方は特にフォルマシオン・ミュジカルの概念に基づいて、
実際の楽曲を基にどんな訓練ができるか、を毎回考えています。
教える側も勉強し続けねばならない良い機会の授業を担当させてもらえています。
ここ最近は「和声聴音・四声体聴音」にフォーカスを当てて取り組むことになっています。
四声体聴音は、ピアノでSoprano、Alto、Tenor、Bassの四声部を同時に鳴らし、
連続する和音を聴音していくことなのですが。
この聴音、どういう意図でやったらいいんでしょうね?
難しい課題なんていくらでも作れるのですが、難しい課題を作ったところで、
それを細かく完璧に書き取れるようになったところで何になるんでしょうか?
そしてエクリチュールを専門で学んだ自分が組み立てられる授業は何なんでしょう?
そういったことを考えながら課題を作っているんですね。
考えていきついた今年度の授業。先日の授業では
J.S.バッハのコラールを私が弾いてみて、いくつかあるフレーズの終わりの調性と終止を、
音符を書き取らずに判断
ということをおこなってみました。
四声体聴音というより、簡易的なCommentaire d'écouteですね。
※Commentaire d'écouteとはフランスのアナリーゼの授業で行われることなのですが、
楽譜を見ないで楽曲を聴いて分析する、という方法です。
これについての留学の苦い思い出もそのうちブログで…
さてさて、実際に弾いてみたものはc-mollで、
c-mollの半終止や偽終止だけでなく、転調してEs-durの全終止も出てくるものでした。
おこなってみたところ。
だいたいはよくわかってくれていましたね。
c-mollの半終止がG-durの全終止と迷った学生もいたようです。
たしかにG-durたらしめるFisの音も出てきたりとややこしいのですが。
Bassの動きや前後の和音を考えると、というところですね。
でも、普段は細かい音符までとれてる学生が不安げに答えていたり、
逆に四声体聴音に苦手意識がある学生が迷いなく答えられたり。
考えさせられますね。
それからもう一つ。これは2年前に教える職についてから実践していることですが。
実際の楽曲を基に四声体聴音を作ることもあります。
今回実践した課題はこちら↓
さて、こちらはある曲の冒頭部分を基にしているのですが
誰の何の曲を基にしているでしょうか?
ピアノがある人はぜひ弾いて考えてみてください。
これは~
ドイツの作曲家の~
ロマン派の作曲家の~
交響曲を基にしているのですが~
いかがでしょうか?
というわけで正解は
ブラームスの交響曲第4番第1楽章の冒頭部分でした。
ちなみにこれ以外にも、
J,S,バッハの平均律Ⅰ巻の1番、2番のプレリュードや、
ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」の第2楽章、ショパンのノクターン、
難しいところだとフォーレの歌曲「月の光」などなども作ってみています。
一応こういった課題を作った時は学生にも分かるか聞いてみていますが、
なかなか自信をもって答えられる学生はいませんね。
まぁリズムやメロディーといった要素は皆無ですから難しいですよね。
四声だと弾く音にも限りがありますしね。
でもこのように四声体聴音の形にしてみると、楽曲の骨組みがわかりやすくなりますよね。
この聴音をおこなったあとにはスコアも渡して楽曲分析もして、
使用しているフランスの教材にピアノ伴奏による視唱課題に直してくれたものがあったので
聴音→メロディーを歌ってみる→楽曲分析→もう一度歌ってみる
なんてことができました。ちなみに楽曲分析っていうのも例えば
・最初の4つの和音のところ、Bassが主音保続しているけど、その時に激しく強弱が変化はしていないよね~
・聴音課題5,6小節目のところはBassが半音階的に上行するのとそれに対してTenorが反行しているよね~その時に同じようなメロディーを繰り返しながらクレッシェンドしてるよね~
などなど、簡潔(のつもり)に強弱やアーティキュレーションと結びつけて説明して、
それをもう一度歌ってみて演奏として昇華する、といった具合に授業してみました。
四声体聴音は和声聴音と言いつつも、実際には
一声部ずつ書き取ることの方が多いので、和声の流れというよりも
各声部の流れに意識がいっているように思います。
まぁそれはそれで、フーガなど対位法的な楽曲を演奏するのに役立ちそうですが。
でもせっかくだから、和声の流れを理解してほしいし、体感してほしい、
という想いで授業を組み立ててみました。
実際、和声聴音は知識や感覚で補えることもあるんですよね。
どうしても内声が取れない部分は外声から予想できるし(知識によるもの)
真ん中に半終止や偽終止や来た時や、最後の変終止や全終止はBassが限られるし(感覚によるもの)
まぁそれをさらに演奏に活かしてほしい、ということです。
とまぁこんな感じでつらつらと書き連ねました。
こんな風に授業でどんなことを取り組んでいるかも、今後書いていきたいと思います。
長くなりましたが読んでくださってありがとうございました。
熱中症にお気をつけてくださいね。
そして、防犯タグの取り忘れにも…気を付けてくれ…店員さん…
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