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残る授業もあとわずか…

執筆者の写真: Yoshio NakayasuYoshio Nakayasu

更新日:2023年2月13日

いつの間にか12月も下旬に差し掛かろうとしています。

12月に入って急に寒くなりましたが皆様お元気でお過ごしでしょうか。

私はこの季節の方が、元気。

もちろん寒さは感じますが、暑さよりは断然得意。

最近はカボチャを美味しく感じられる年齢になってきまして、カボチャをレンチンしたものにクリームチーズを混ぜたサラダを常備菜として作る日々です。安くなりましたしね、カボチャ。

根菜やキノコなんかの秋冬の野菜が大好きなんですよね。よく味噌とコチュジャンを合わせたスープで鍋を作って、翌日にご飯をぶっこんで雑炊にしたりしています。


更新が飛んでいた11月ですが、12月上旬までの自分なりの出来事を徒然…


11月の上旬に大学院の入試がありました。私はアドヴァンストコース(作曲理論コース)の試験監督。

ですが、私としてのメインは、生徒さんの大学院入試でした。

国立音大の大学院は全学科で和声書法が課せられていて、転調や借用和音、様々なS諸和音を含むバス課題とソプラノ課題の2題を1時間で実施することになっています。

7月から島岡和声のⅠ巻の初めから教えていた生徒さんがいて、テスト直前もかなり焦っていたのですが、無事に合格されました。ホントに安心です。

教える立場になってよくわかりましたが、座学でも本番の緊張感が何かを狂わせる、ということはあるようです。

私自身かなり本番に弱いタイプなのですが全然そう見えないようで。

音楽科高校時代のピアノの試験は毎度のごとく頭の中がいっぱいいっぱいでしたが、レッスンの先生以外からは落ち着いて弾けてたじゃない~って言われることばかりでした。いまだに演奏会の一曲目はパニック起こしそうになりながら演奏していたりするんですが。

大学に入って初めての和声・対位法の試験では師匠に「本番弱いタイプ?」って聞かれたことも。ホント座学も演奏も一緒、本番弱いんです。

そんな心配性な自分なので生徒さんも大丈夫かなと自分のことのように緊張していましたが、落ち着いてできたようで試験後もよくできたとの連絡をいただき、合格までいけたのでホントに嬉しかったです。およそ4か月で試験合格レベルまで到達した生徒さんの努力にも感服です。


12月上旬にはフーガ演奏会がありました。

フーガ演奏会は作曲理論系の学内の催しで、3,4年生の作曲理論コース履修生、作曲科学生、大学院生と教員の創作フーガが弦楽四重奏やサックス四重奏などで演奏されます。

とはいえ、私が赴任したばかりの一昨年はコロナの影響で開催されず、去年は開催されましたが全曲4手2台ピアノでした(これはこれでよかったんですが)。

今年は3年ぶりの4人以上のアンサンブルの編成、また自分も学生時代以来、実に10年ぶりのその編成でのフーガ演奏を聴く機会でした。

学生たちの作品は、3年生の作品もきれいにまとまったものばかりでしたし、4年生になったら自由に書けている作品も数あり、自由唱も素敵に書けている作品が多くて楽しめました。

また、今回は記念すべき第40回ということで、故山口博史先生、故島岡譲先生の作品も演奏され、それもまた素晴らしくて!いろいろな作品からエネルギーをもらえました。

自分もそのうち教員枠で出す時がくるので、教えてばかりでなく書く方も頑張らないとですね。


あと、株式会社ブシロードムーブからご依頼いただきまして、ゲームの第五人格のBGMをYoutuberのよみぃさんがストリートピアノで弾くという催しがあったのですが、そのうちの一曲「小夜曲」をピアノアレンジいたしました。

動画はこちらになります。



高校の同級生がブシロードムーブに勤めていて、ありがたいことにご紹介いただきまして。

原曲を聴きまくって採譜してからの、ストピで演奏することを念頭に派手目にアレンジを加えました。

無事に演奏していただけて嬉しい限りです。


さて、最近取り扱った授業の資料も。



(資料を作った時は「大地と空の歌」と直訳しましたが)メシアンの「天と地の歌」より「復活」をリズム読みしてからの、分析。

冒頭部分のリズムは連符はないものの拍子が特に定められておらず、毎小節ごとに少しずつリズムが違って拍感も変わってくるのでちょっと難しいのです。

音程の方も調号・臨時記号が多くけっこう取りづらいのですが、音程の方は整理すると資料に書かれているようになります。ちなみに1~9小節目は1番冒頭、24~28小節目は2番冒頭で、リズムは同じになっています。


さてさて、それぞれの音階、こちらはどういったものになっているでしょうか?


この授業は教会旋法の延長で行われたものなのですが、どちらも教会旋法ではないのです。


1番の方は、自然倍音を基にした音階になっています。

Cを基音にした自然倍音を第11倍音まで並べるとこんな音列になります。第11倍音は性格にはFisとは言い切れませんが、FよりはFisの方が近いということでこんな感じです。

この音階を使った曲はドビュッシーも書いていたはずで、昔山口先生の授業で聞いたことあるはずなんだが何の曲だったかは忘れてしまったという、、、思い出したい、なんの曲だったか。何かを練習したときにも、ここは!!!と思った覚えもあるんですが、なんだったか。

しいて言うならピアノ曲の方の「月の光」の中間部分のメロディーもこの音階になっているのではなかろうか、というところです。ミクソリディア旋法→ドリア旋法みたいなところでもあるんですが。


2番の方はメシアンが提唱した移調の限られた旋法2番ですね。

半音と全音が交互に並べられた音階になっています。

ちなみにこの音階は2つの減七の和音の組み合わせでもあり、どういうことかというと1音飛ばしで4つの音を取り出すと減七の和音になるんです。上記の音列で考えるとFis-A-His-DisとG-Ais-Cis-Eの2つですね。

この音階は意外とショパンも使っていて、エチュードのOp.10-9やバラード1番なんかを例に出すんですが、ドミナントの和音を引き伸ばすところで使われているんです。

減七の和音っていうのはさらに長3度下の音を足すことで短属9の和音になるんですが、そうすると何かの調のⅤ9の和音、つまりドミナントになるんですね。上記の旋法っていうのは片方の減七の和音がもう片方の倚音のようにくっついている、みたいな扱いにすることができるんですよね。


という感じなので面白いと思ったら楽譜を見てみてください。

ちなみに私はこのメシアンの「復活」を10年前に声楽の友人の卒試で伴奏してきました。

あの時、よくがんばったと思います、友人も自分も。


さて残す授業日も残り一日です。明後日。

そうしたら冬期講習、そして、試験。

学生のみなさん頑張ってください。


そして最後に。




新たにコクーン、ゲットしました。

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